大友ファミリーの犬&猫飼育日記 ハジメのニャンコ飼育日記 アダルト編

Story05<気をつけたい病気編>お隣のミミ、病気なんだって。心配だなぁ。

"猫下部尿路疾患"ってどんな病気?

 「いつもより頻繁にトイレに行く」「オシッコの量が少ないみたい」−−そんなサインに気づいたら、猫下部尿路疾患(FLUTD)を疑ってみる必要があります。
  猫下部尿路疾患とは、膀胱炎や尿石症など猫の“下部尿路(膀胱から尿道)”に起きるさまざまな病気の総称です。もともと砂漠地帯の出身である猫は、水分の少ない環境に適応するため、少量で濃い尿を排泄する体の仕組みになっています。そのため、下部尿路にさまざまな症状が出やすいといわれています。
  猫下部尿路疾患になると、尿が出にくくなったり、血尿が見られたりします。また、尿道がふさがって尿が全然出なくなると、急性腎不全となり尿の毒素が体内にまわってしまう尿毒症(にょうどくしょう)を発症することも。そうなると短期間で死に至る可能性もあるため、早急な処置が必要となります。

●尿石とは?
 猫下部尿路疾患の中には、尿石が関係するものも珍しくありません。
  尿石とは、腎臓から尿管、膀胱、尿道といった尿の排出路のいずれかで見られる結石のこと。尿の中にはマグネシウム、カルシウムなどのミネラルが含まれていますが、尿内のミネラルが過剰になると結晶化が起きます。その結晶が核となり集まって結石が形成されていきます。また、尿のpHの影響を受けて結晶化が引き起こされる場合もあります。尿石はその主成分によっていくつかの種類に分けられますが、多く見られるのはリン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)とシュウ酸カルシウムの2つです。
  下部尿路に尿石が生じると、膀胱の内壁を傷つけたり、尿の通り道である尿道に詰まったりして、さまざまな症状をもたらします。これを尿石症と言います。

 尿石ができる要因としては、偏った食事でミネラルを過剰に摂取してしまうこと、運動不足のためあまり水を飲まず、尿の量が少なくなること、トイレが汚れていたりして排泄を我慢してしまい、膀胱に尿がたまって結晶ができやすくなること、などがあると言われています。

●こんなサインに気をつけよう!
 この病気になると猫はたびたびトイレに行きますが、尿はほとんど出ていないか、まったく出ません。トイレで力んだり、じっとうずくまってしまう子もいます。また、排尿後のトイレ砂がピンク〜赤になっている(血尿)ことも。注意したいのは、尿が出ていない状態で食欲がなくグッタリしてしまい、嘔吐を繰り返すような時。尿毒症を起こしている可能性が高いので、至急、動物病院へ連れて行きましょう。

●家庭でできる予防策
 まずは食事をきちんと管理すること。尿石の成分であるマグネシウムやカルシウムを摂りすぎないないよう、食事の内容に注意しましょう。例えば猫の好きな鰹節や煮干しには、マグネシウムがたくさん入っているので与えすぎに注意。最近では、尿石の成分や尿のpHに配慮したフードもあるので、そうした製品を選んであげると良いでしょう。

※参考サイト:日本ヒルズ・コルゲート株式会社

 猫がきちんと水分を摂取できるように気をつけてあげることも大切。完全室内飼育で運動量が不足すると、喉が渇かず飲水量も少なくなりがちです。キャットタワーを設置したり、オモチャでたくさん遊んであげるなどして運動量を増やすほか、新鮮な水を入れたフードボウルを室内のいろいろな場所に置いておくなど、猫が少しでも多く水を飲めるよう工夫しましょう。

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