●接種するのは子猫が家に慣れてから!
子猫の場合、ワクチンは一般的に生後8週齢で最初の接種を行い、12週齢で2回目の接種を行いますが、猫の状態や生活している環境によって異なります。ワクチンの種類、ワクチンを打つ時期や回数は、かかりつけの獣医師と相談して決めてください。
また、ワクチンは子猫を家に迎えてから最低でも1週間以上経過し、新しい環境に十分に慣れてから接種すること。家に来たばかりで心身ともに不安定な時に打つと、発熱や嘔吐といった副作用を起こす場合もあるので要注意です。ただ、感染のリスクが高い環境では早めの接種が必要な場合もありますので、まずは獣医師に相談してみましょう。
●ワクチンでも予防できない感染症もある
猫の代表的な感染症のうち、ワクチンで予防できるのは次の6つです。
(1)猫汎白血球減少症
(2)猫ウイルス性鼻気管炎
(3)猫カリシウイルス感染症
(4)猫白血病ウイルス感染症
(5)猫クラミジア感染症
(6)猫免疫不全ウイルス感染症
子猫には、(1)〜(3)がセットになった3種混合ワクチンを打つのが一般的。さらに(4)を加えた4種混合、(4)、(5)を加えた5種混合を打つ場合もあります。さらに最近、(6)に有効なワクチンが日本でも発売されました。一方、「猫伝染性腹膜炎」も猫がかかりやすい感染症の一つですが、こちらは日本ではまだ有効なワクチンはありません。
ワクチン接種はこれらの病気を防ぐのにとても大切ですが、ワクチンと言えども万能ではありません。病気の猫と接触させない、定期的な健康診断を受け、もし感染しても早期発見できるようにすることなどが大切と考えられます。
●ノミのライフサイクルを知っておこう
まずはノミのライフサイクルを知っておきましょう。
ノミの成虫は動物の体に寄生して吸血します。成虫の寿命は10〜20日ほどですがその間、メスは毎日10〜20個もの卵を産みます。メス1匹で最大約400個もの卵を産むため、放っておけばノミは爆発的に増えてしまうのです。
産み落とされた卵は猫の体から落ちて、いったん床などに散らばりますが、湿度が50%以上あれば、数日で孵化します。幼虫からさなぎの期間を経て、孵化後、通常4週間ほどで成虫になります(さなぎ期間は温度や湿度に対する抵抗性が強く、最大で50週間くらい生存可能と言われています)。
ノミの成虫は、実は生息するノミ集団全体の5%でしかない、と言われます。つまり残りの95%は目につかない卵や幼虫、さなぎの状態で生存しています。そのため、ノミ対策では猫の体に付いている成虫を取り除くだけでは不十分。目につかない卵や幼虫への対策を同時に行っていかなければ、本当の駆除はできないのです。
●“ノミ駆除薬”と環境整備で徹底した対策を!
ノミの卵は猫の体から落ちてカーペットの奥や床の隙間などに入り込みます。また、幼虫は暗い場所を好むため、家具の下や部屋の隅などに移動します。まずは掃除をしっかり行って、卵や幼虫をできる限り排除しておくことが大切。
一度でもノミが見つかった場合は、動物病院で“ノミ駆除剤”を処方してもらうのがお薦めです。最近では、薬を猫の頸部(首の後ろ側)につける“スポットオン”タイプなどがよく使われています。成虫を駆除するだけでなく、卵や幼虫の発育を阻害して成虫になる前に退治できる薬もあるので、獣医師に相談してみてください。
ノミは高温で湿度の高い環境を好むため、夏(特に梅雨時)は特に注意が必要ですが、冬でも暖房がきいている室内では繁殖が可能。基本的には季節を問わず1年中、注意するようにしてください。