猫の性格は、生まれつきの性質(遺伝)プラス育った環境によって決まります。特に生後2〜7週にかけての「社会化期」を、どのように過ごしたかが大きく影響すると考えられています。
社会化期は動物にとって、共に暮らす仲間とのコミュニケーションを学び、“絆”を築いていく時期。この時期に、たくさんの人や動物と接すると大人になってからも人見知りしない、フレンドリーな性格になりやすいと言われます(もともとの性質によっても違います)。また、社会化期は自分を取り巻く周囲の環境を抵抗なく受け入れられる時期でもあります。この時期に多くの刺激(音や振動、匂いなど)を経験しておくことで、成長してから未知の刺激に出会ってもあまり怖がらず、一緒に暮らしやすい猫になるのです。
逆に言うと、大切な社会化期に室内で飼い主さんとしか接しなかった子は、他の人間や動物と仲良くできず、未知の刺激があるとパニックを起こすなど、さまざまな問題を抱えてしまいがち。それを予防するためにも、子猫のうちに意識的に社会化の機会を作ってあげてほしいと思います。
子猫のうちに、なるべくたくさんの人(家族以外の人)や動物に対面する機会を作ってあげましょう。また、キャリーバッグなどに入れて近所をお散歩し、外の刺激に慣らしてあげると良いでしょう。
ただ、気をつけたいのは無理にならそうとして猫を嫌な気持ちにさせないこと。社会化は「人も動物も楽しみながら行う」のが基本です。いきなり強すぎる刺激を与えると、子猫はかえってそれが大嫌いになってしまいます。無理やり抱こうとしたり、追いかけ回すなどは厳禁です。大きな声や足音もびっくりするので、静かにして猫の方から近づいてくるのを待ちます。
お客さんからオヤツをもらう、一緒にオモチャで遊ぶなど、子猫が「楽しい!」と思えることと結びつけながら、行っていくと良いでしょう。