犬は具合が悪くてもあまり表に出さないので、飼い主さんが気づかないうちに病気が進行してしまうことがよくあります。若くて特に健康に不安がない場合でも、年2回は健康診断を受けて。5歳以上になったら犬も中年期に差し掛かります。犬は人間よりも年をとるスピードが速いことを考慮して、最低でも年4回くらいは受診してほしいと思います。
ひと口に「健康診断」と言っても、具体的な検査の内容は動物病院によってさまざま。あらかじめ内容が決まっている場合もあれば、飼い主さんと相談の上でどんな検査をするか決める病院もあります。一般的には下記のような流れで行うところが多いようです。
(1)問診
飼い主さんからペットの様子を詳しく聞きます。元気・食欲はあるか、運動量は、便の調子はどうか、気になる症状はあるか、など。
(2)視診・触診・聴診
飼い主さんの話を踏まえて、獣医師がいろいろな角度から体の状態をチェックします。目・耳・口の中を調べたり、皮膚や関節の状態を確認。また、聴診器で心音を聞いて心臓の状態なども調べます
(3)血液検査
上記の検査で必要と判断された場合や、飼い主さんが希望する場合に行います。血液検査では、血液の性状や肝臓・腎臓の状態など体内のさまざまなことがわかります。中年以降になったら、定期的にやってあげましょう。このほか、必要に応じてX線検査や超音波検査、心電図検査などをすすめられる場合もあります。
●普段の状態がわかるように
動物病院へ行く際、全身をキレイにしてから連れて行く飼い主さんがいますが、かえって状態を判断しにくくなります。目ヤニや耳垢などもそのままで連れていきましょう。病院で聞かれたことに正直に答えることも大切。「オヤツをあげてることを話したら怒られるかな」などと思いがちですが、適切な診断のためにもありのままを伝えましょう。
●緊急の時はいったん電話を
動物病院へ行く前はあわてていることも多いですが、何を持っていけばいいか、どのようにして連れて行くのか(キャリーが必要か)などを確認すると安心です。救急の場合は事前に電話で症状を伝えておけば、到着してからの診断や治療がスムーズになることもあります。
●健康な時にも受診しておこう
病気になってから受診するより、元気な時から受診しておく方が診断はスムーズになります。獣医さんの中にも治療やケアに関していろいろな考え方の人がいますから、定期健診などの時に先生の考え方を聞いておくとベスト。信頼できる先生を見つけておけば、イザという時に安心です。