子犬が人間社会で楽しく暮らしていくためには、最低限のルールを教えなければなりません。ここでは、まずやってあげたいトレーニングの代表例として、「トイレのしつけ」と「クレート・トレーニング」についてご紹介します。
≪トイレのしつけ≫
子犬に早くトイレを覚えてもらうポイントは、まず飼い主さん自身が子犬の行動をよーく観察すること。子犬は排泄したくなると、くんくん床のにおいをかいだり、くるくる回りながらお尻を突き出したり、腰を低くするような格好をします。そうした“排泄のサイン”を見つけたら、素早くトイレに連れて行き、やさしく排泄を促します。上手にできたら、すかさず思いきりほめてあげましょう(オヤツをあげると効果的です)。
このほか、眠っていて目を覚ました時、食事や水を飲んだあと、元気いっぱい遊んだあとなどは、排泄しやすいタイミング。このような時も必ずトイレへ連れて行きます。また、サインが見られない場合も、2カ月くらいの子犬なら昼間は1時間おきくらいにトイレへ誘導して、同じように排泄を促しましょう。
◆間違った場所で排泄してしまったら
トイレの失敗は子犬のせいではなく、飼い主さんの管理ミス。何も言わず、すぐに片付けましょう。においが残っていると同じ場所で排泄する可能性があるので、消臭剤を使うのもおすすめ。
「間違った場所に鼻を押しつけてしかる」「正しいトイレへ連れて行き“ここでしなさい!”とお説教する」といったやり方はNG。子犬に間違った認識を与えてしまい、余計にトイレで排泄しなくなってしまう可能性があります。
≪クレート・トレーニング≫
クレートとは、犬がリラックスして眠れる広さのある入れ物のこと(金属製のケージやプラスチック製のキャリーケースなど、さまざまなものがあります)。クレートの中でおとなしくできるよう慣れさせることを「クレート・トレーニング(またはハウス・トレーニング)」と言います。クレート・トレーニングができていると、飼い主さんが犬を見ていられない時でも、おとなしく待てるようになり、外出やお留守番、自動車での移動などが、とても楽になります。また災害時に避難する時にも役立ちます。
教える時のポイントは、クレートに良い印象を持たせること。まずはクレートの中でオヤツやオモチャを与えて、「中に入ると良いことがある」と印象づけることからはじめます。十分に慣れて、自分から中に入るようになったら、少しずつ扉を閉める練習を。最初はごく短時間からはじめ、少しずつ時間を延ばしていきましょう。
いたずらをしたお仕置きで子犬をクレートに閉じ込めたり、長時間クレート内に入れたままにすると、子犬はクレートが大嫌いになってしまうので要注意です。