食事の内容は以前と変わっていないのに、何となくお腹がポッコリしてきたり、顔が丸くなって二重あごになっていたり……。中高年になると人間もこんな変化がよく見られますが、実は犬でもよく見られます。
年をとってくると、筋肉の量が減ってしまい、基礎代謝(安静にしている状態で必要とするエネルギー)が低下します。また、あまり動かなくなって運動量も減ってくるため、若い頃と同じ食事を続けていると太ってしまう子もいるのです。
肥満は心臓疾患、糖尿病などを引き起こす場合がありますし、関節に過度な負担がかかると関節炎や椎間板ヘルニアなどのリスクも高まります。年をとったら食事を見直すべきなのは、人も犬も同じなのです。
とはいえ、単純に食事の量を減らしてカロリーを抑えるだけでは、必要な栄養が不足する場合も。ポイントは量ではなく質を見直すこと。
シニアの食事ではカロリーや脂肪を控えめにするとともに、吸収性の高い良質のタンパク質を適量だけ摂取することが大切です。信頼できるメーカーのシニア用フードであれば、これらがきちんと考慮されているほか、老化に伴って体内で不足する成分や免疫力を高める成分などが特別に配合・強化されているフードもあります。
今、与えているフードで特に問題が出ていなければ、そんなに急いで変更する必要はありません。ただ、見た目には若々しくても内臓の機能が衰えている場合もあり、若い頃と同じフードを与えていると内臓に負担がかかることも。7歳前後になったら、動物病院で健康チェックを受け、検査の結果を踏まえながら、シニア用フードへの切り換え時期を検討していくと良いでしょう。