シニアになっても元気に過ごすために、食事は最も大切な要素のひとつ。ポイントは、まず第一に肥満に気をつけること。体重増加が見られる時は、カロリーや脂肪分を抑えたシニア用フードに切り換えたり、オヤツを減らすなどの対策を。高血圧やさまざまな病気の原因となる塩分の過剰摂取もシニアの大敵ですが、オヤツには意外に多くの塩分が含まれていることがあるので注意して!
食事を通じて老化の進行を妨げる成分を補ってあげるのも有効です。例えば、ビタミンEやビタミンC、ベータカロテンは「抗酸化成分」と呼ばれ、酸化によるダメージから細胞を守り、臓器の健康や免疫力の維持をサポートします。さらにドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)といった必須脂肪酸は脳の老化を予防する効果があるとわかっており、こうした成分が強化されたフードを選んであげるのもオススメ。
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※参考サイト:日本ヒルズ・コルゲート株式会社
シニアになって太る子もいますが、逆に食欲が減ってやせてくる子もいます。「もう年だから食が細くなったのね」などと見過ごしてしまいがちですが、必要な栄養が不足すると病気にかかりやすくなりますし、すでに何らかの病気にかかっていて食欲が落ちている場合もあります。なぜ食べないのか、原因を考えて、きちんと食事が摂れるように対策してあげましょう。
●食器は食べやすい高さに調節
首や背骨に痛みがあったり、筋力が落ちている場合、床に置かれた食器に首を伸ばして食べ物を飲み込むのが、結構な負担になることもあります。適度な高さの台を用意して、愛犬がラクに食べられるよう工夫してあげましょう。これだけで、食欲が復活する子も少なくありません!
●口の中にトラブルがないかチェック!
高齢の犬の多くは歯周病にかかってしまっています。口の中に炎症があって痛むため、フードが食べられないことがよくあります。「食欲がありそうなのにあまり食べない」「おいしいものしか食べない」といった子も、実は口の中のトラブルを抱えている可能性が……。一度、動物病院で歯のチェックをしてもらってトラブルがある場合は早めに適切な処置をしてもらいましょう。
●食欲を刺激する工夫を
運動不足や消化・吸収能力の低下などが原因で食が進まなくなることもあります。その場合は、いつものフードに肉のゆで汁をかけたり、ウェットフードをトッピングする、フードを温めて与えるなど、愛犬の食欲を刺激するよういろいろ工夫してみましょう。