シニアになると暑さや寒さにより敏感になったり、関節など体のあちこちが痛くなったりします。また、体調のすぐれない不安から今まで以上に飼い主さんのそばにいたがる子も……。室温に気を配ったり、寝心地のいいベッドを家族の集まるリビングに設置するなど、愛犬が安心してくつろげる環境をつくってあげましょう。
●室内の危険な場所を見直そう
筋力が落ちてくると、足元がふらついたり、ちょっとした段差でつまづくようになります。動くのがつらそうだったり、室内に危険な場所がある場合は何らかの対策を。例えば、スロープをつけて段差をなくす、階段に滑り止めをつける、危険な場所には柵をつけるなどがあります。ただし、まだシニアの入り口で筋力が残っている子や、失敗しても大きな事故にはならない程度の段差であれば、バリアフリーにしない選択肢もあります。手を貸すタイミングは、愛犬の様子をよく観察して決めて。
またフローリングの床は滑るため関節に負担をかけます。犬の生活空間だけでもカーペットを敷くのがお薦め。こちらは早めに対策しましょう。
●快適な室温を保とう
年をとるにつれ、体温調整が苦手になります。快適な室温を保つことは、愛犬が毎日を元気にすごすためにとても大切です。また、動くのが億劫になって、同じ場所でずっと寝ていることも。エアコンや扇風機の風が当たりっぱなしで体が冷えたり、長い時間ペットヒーターやホットカーペットの上に寝続けて低温やけどになったりしないよう注意してあげましょう。
●急激な環境変化は避ける
部屋の模様替えや引っ越しなどで環境をがらっと変えると、シニアの犬にとっては大きなストレスになりがち。特に、視力が落ちてからの模様替えは慣れない家具の配置にとまどい、ぶつかったりするので避けましょう。
●上手な散歩・運動の取り入れかたは?
散歩は心身ともによい刺激を受けられる習慣。シニアになっても可能な限り続けたいものです。散歩中の休憩時間を増やす、1回の時間を短くして回数を増やす、トラブルが起きた時すぐに帰れるよう家から遠く離れないコースにするなど、その子に応じた方法を考えてあげましょう。
激しい運動が好きな子は、無理してがんばりすぎることも。老化は全身均一に進むわけではなく、足腰は丈夫でも心臓の機能は衰えていることもあります。運動のペースを犬任せにせず、ほどほどのところで休ませるなどメリハリをつけて。短い散歩や運動では物足りないなら、その分は室内での遊びを増やしてあげるなど、ストレス発散できる工夫も必要です。