シニアになると体のさまざまな機能が衰えているため、急に具合が悪くなったり、突発的な事故(ものにぶつかる、転倒など)が起きる可能性が高くなります。すぐに治療しないと命に関わるケースもありますから、ハジメくんのように、あらかじめ「もしもの時の連絡先」を控えておくと安心です。最近では夜間の診療については、地域の動物病院同士で連携して体制を整えているケースも増えています。かかりつけの動物病院で、緊急時の対応について一度、相談しておくと良いでしょう。
シニアの犬と暮らしていく中では、若い頃以上に動物病院と頻繁に深く付き合う必要が出てくると思います。日頃から、かかりつけの獣医さんや病院のスタッフといろいろな話をして、コミュニケーションをとっておくことがとても大切。愛犬の過去の病歴や検査結果、性格などを知っておいてもらった方が緊急時の診療もスムーズですし、治療方針などで迷った時に飼い主として自分の意思を伝えなければならないケースも出てきます。お互いの考えがわかっていれば、信頼して相談できると思います。
最後に、ちょっとつらいかもしれませんが「もしうちの子が介護になってしまったら」「もし治療できない病気になったら」といったことも、少しずつ家族で話し合っておいていただきたいと思います。何の考えもなく緊急事態を迎えてしまうと混乱してしまい、後で悔いの残る結果となるケースもよくあります。心の準備をしておくことで、スピーディに良い選択をしてあげられると思います。
シニアライフを明るく前向きに過ごすために、大切なのは愛犬の老いから目を背けず、きちんと真正面から受け止めてあげることです。老化の進行はその子その子で違いますから正解はありません。愛犬と飼い主さんにとって、最も悔いのない選択をしていってあげましょう。