シニアの年齢になると、一見元気そうな猫でも体の中では老化が始まっています。例えば、一般に年をとって筋肉の量が減ってしまうと、基礎代謝(安静にしている状態で必要とするエネルギー)が低下します。さらに活動量も少なくなると1日に必要とするエネルギー量は成猫の頃より30〜40%くらい減少すると言われます。
そのため、スーちゃんのように今までと同じ量・内容の食事を続けていても太ってしまう子もいるのです。
肥満はさまざまな病気の要因になるほか、老化によって衰えた骨や関節に負担をかけてしまいます。健康なシニアライフを維持するために、適正体重を維持することは非常に重要です。
一方で、胃腸の消化吸収能力が衰えたり、口内炎や歯周病などが原因で食欲が減退し、やせてくる猫もいます。その場合は、消化がよく少量でも必要なエネルギー・栄養素がきちんと摂取できる食事を与える必要があります。
このようにシニア期の食事で大切なのは、愛猫の変化を観察しながら、適切な体重を維持できるよう導いてあげること。また、慢性腎不全や心臓疾患など、老化に伴って増えてくる病気の発症や進行を遅らせるためにも、ライフステージに合った栄養バランスに配慮することが大切です
そうした点からも、シニアに必要なエネルギー・栄養素が調整されたシニア用の総合栄養食を与えるのがお薦め。何も異常がなければ急に切り換える必要はありませんが、かかりつけの獣医さんに相談し、体重や食欲、健康状態などをチェックしながら、徐々に食事を見直していくようにしましょう。