●寝床
猫の一日の大半を占めているのが睡眠時間です。ゆっくり休める寝床は欠かせません。毛布やタオルを猫用ベッドに入れてあげましょう。猫用ベッドを使わなくても、ソファや座布団など柔らかいところに寝ているなら問題ありません。硬いところに寝ているときは、シニアになると痩せてきて骨がゴツゴツするので、寝床を用意してあげてください。夏はペット用の冷却ボードを、冬はペットヒーターを使うこともできます。ヒーターで低温やけどしないよう注意を。
●トイレ
行動がゆっくりになったり、動くのが億劫になるため、「オシッコしたい」と思ってからトイレに行くまでに時間がかかり、粗相することが。膀胱炎などの影響で頻繁にトイレに行きたくなることもあります。トイレが寝床と離れている時は寝床の近くにもトイレを設置したり、猫の行動範囲に複数のトイレを置いてもいいでしょう。フチの高いトイレだと足を引っかける場合もあります。使いやすさを考てあげましょう。
●食事の場所
ゆっくり食事ができる場所に食器を置くのが大切。特に多頭飼育している場合は、他の若い猫に邪魔されたり、フードを横取りされることがあります。不安な気持ちでは食欲も出ません。マイペースで食事をさせてあげましょう。また、食器の位置が低いと食べづらいので、台に載せて楽に食べられるようにしてもいいでしょう。
●水の飲ませ方
水を積極的に飲もうとしない猫もいますが、水分の摂取量が少ないと、腎臓疾患や尿路結石症、便秘などになりやすくなります。十分な飲み水を飲ませるようにしてください。いつでも飲めるよう、部屋のあちこちに水のお皿を置いてもいいでしょう。
水道からくんでお皿に入れた水を好まず、くんでから時間がたった水や蛇口から流れる水が好きな猫もいます。水を置く場所を複数にするなど、あなたの猫がよく水を飲む方法を工夫してみてください。
★高いところには登らせないほうがいい?
筋力が落ちて動きもゆっくりになってくると、高い所への上り下りが心配になってきます。でも、関節炎を起こしていたり、ふらついているような場合を除き、シニアになったからといってあまり先走って「バリアフリーにしなきゃ!」と思わなくても大丈夫です。
運動の機会が減れば、筋力が余計に衰えてしまい、体がどんどん動かなくなっていきます。走り回ったり遊びによる刺激もなくなり、気を使ったつもりがかえって老化を進ませてしまうことも。猫が持っている能力を十分に発揮させてあげましょう。
ただし、危険防止策は万全に。猫がよく上りたがる場所の横には、椅子や台など足場となるものを置いておきます。また、床が滑るとジャンプしにくいので、滑り止めマットを敷きましょう。