今までオシッコの失敗をしたことがなかった子が急に粗相するようになると、ちょっと心配になりますね。年を取ったせいなのでしょうか。
シニアになってからの粗相には、実はいろいろな原因が考えられます。
○膀胱がいっぱいになったことに気づくのが遅れて、粗相してしまう。
○関節炎など体に痛みがあって動きづらく、トイレへ行くのに時間がかかって、粗相してしまう。
○腎臓疾患で多飲多尿となっていたり、尿路結石症、膀胱炎などを起こしている時はしばしばオシッコに行きたくなりますが、トイレへ行くのが億劫だったり、動くのに時間がかかって粗相してしまう。
○老化により、膀胱や尿道の括約筋(排尿の調整をする筋)が衰え、粗相してしまう。
このように、腎臓や泌尿器の病気など、なんらかの病気が原因となっていることもよくあります。「年をとったから仕方ないね」とあきらめてしまわないでください。適切な治療を受け、生活環境を改善すれば、病気の進行を遅らせることも可能です。つまり、愛猫と一緒にいられる時間をもっと長くできるということです。
粗相の原因のひとつになっている腎臓疾患は、シニアの猫にはたいへん多い病気。腎臓が4分の3以上ダメージを受けないと症状が表れないため、「おかしいな?」と思った頃にはすでに病気がかなり進行している場合もあります。早期発見のためには、日々の健康チェックに加えて、定期的に動物病院で健康診断を受けることが大切。