●食事
食事の内容は体調に応じて、かかりつけの先生と相談して決めましょう。食器を食べやすい高さにしたり、必要に応じてフードをやわらかくすることなどが必要となります。自分で食べるのが億劫で摂食量が減っているようなら、やわらかくしたフードや猫用流動食をシリンジなどで与えます。飲み水は複数の場所に置いて、いつでも飲めるようにしておきましょう。
●排泄
自分でトイレに行けるうちは行かせてください。難しくなったら、猫用おむつやシッポを通す穴を開けた赤ちゃん用おむつを使います。おむつかぶれができないよう、汚したらすぐに外しましょう。寝たきりになっているときは、ペットシーツをお尻の下に敷いてあげます。また尿や便が出にくくなったら、膀胱を押して圧迫排尿をしたり、皮膚越しに便をつかんで排便させます。いずれも動物病院でやり方を教えてもらいましょう。
●寝床
異変にすぐ気づけるよう、飼い主さんの目が届きやすいところに置いてあげます。体重が軽いため床ずれはできにくいですが、やわらかい寝床は欠かせません。猫用ベッドや毛布の上にプチプチシート、バスタオル、ペットシーツを重ねて敷くといいでしょう。ずっと同じ姿勢で寝ていると体が固くなってしまうので、時々寝返りさせます。
犬ほど多くはないものの、猫にも認知症は起こるとされています。犬で多い徘徊はあまりなく、寝てばかりいるということが多いようです。他にどんな症状があるのか知っておきましょう。
●認知症でみられる症状
・生活のサイクルが乱れて昼夜逆転する
・狭いところに入ろうとするが後退できない
・1カ所でくるくる円を描くように歩く
・呼びかけなどへの反応が鈍くなる
・単調に鳴き続ける
・粗相する
・異常に食べる
・飼い主さんのことがわからなくなる
……など
病気のメカニズムがはっきりしないため、予防も難しいのですが食事を通じてドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)などの成分を摂取することは一定の効果があるといわれています。飼い主さんとのスキンシップや遊びを通じて、普段から脳に適度な刺激を与え、老け込ませないようにするのもお薦めです。